子宮頚癌予防接種のご案内

ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん予防)ワクチン(HPVワクチン)について

 

ヒトパピローマウイルス感染症について

  子宮頸がんは、発がん性のヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの持続的な感染が原因となって発症します。性交経験がある女性であればだれもが感染する可能性があります。

 100種類以上の遺伝子型があるHPVの中で、特に発がん性が高いタイプの感染が問題となります。近年20~40歳代の子宮頸がんが増加傾向にあり、その約70%はHPVの感染が原因とされています。

 HPVに感染してもほとんどの場合ウイルスは自然に排出されてしまいますが、長期間感染が続く場合があり、ごく一部のケースで数年~数十後に前がん状態を経て子宮頸がんを発症します。ワクチンでHPV感染を防ぐとともに、子宮頸がん検診によって前がん病変を早期発見することで子宮頸がんを予防します。

 

HPVワクチンについて

  現在国内で接種できる子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がん患者から最も多く検出されるHPV16型及び18型に対する抗原を含んでいる2価ワクチン(サーバリックス)と、尖圭コンジローマや再発性呼吸器乳頭腫症の原因ともなる、6型、11型も加えられた4価ワクチン(ガーダシル)、子宮頸がん患者から多く検出されるHPV31型、33型、45型、52型、58型がさらに加えられた9価ワクチン(シルガード9)があります。HPV未感染者(学童女子)を対象とした海外の報告では、感染及び前がん病変予防効果に関して、いずれのワクチンとも高い有効率が示されていますが、HPV既感染者には有効性が低いことから、初回性交渉前に接種することが推奨されています。

 ただし、ワクチンを受けたからといって病気にかからないわけではありません。ワクチン接種後も、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。

 

  

9価HPVワクチンの2回接種について

9価HPVワクチンは、小学6年生以上14歳までの女性を対象として、通常6か月以上の間隔をおいて2回接種が可能となります。

 

9価HPVワクチンの標準的な接種間隔について

9価HPVワクチンの標準的な接種間隔については、以下のとおりです。

【2回接種の場合 (14歳までに接種をする場合)】

 6か月以上の間隔をおいて2回接種が可能になります。

 

<上記の方法がとれない場合>

 初回から2回目までの接種間隔は最低5か月以上とし、5カ月未満で2回目を接種した場合は、3回目の接種が必要になります。

 

【3回接種の場合】

 4価ワクチン(ガーダシル)と同じ接種スケジュールとなります。

 1回目接種の2か月後に2回目を接種

           ↓
 1回目接種の6か月後に3回目を接種
   
<上記の方法がとれない場合>
1か月以上の間隔をおいて2回接種後、2回目の接種から3か月以上の間隔をおいて1回接種